エアコンは室内を夏は涼しく、冬は暖かく保つのに必要な家電製品です。住宅にとって必要不可欠な設備といってもよいでしょう。それだけに、しっかりメンテナンスしなければ、経済面でも健康面でも悪影響が出てしまいます。そこで、今回はエアコンのハウスクリーニングにスポットをあて、掃除の必要性や清掃方法などについて解説します。
エアコンは掃除しないとどうなる?
エアコンは室内の空気を吸い込んで温度調整をしています。その際、空気中のほこりや汚れを一緒に吸い込んでしまいます。ほこり以外にも調理の際に出る油やタバコのヤニなども吸い込んでフィルターに付着させます。こうした汚れを放置するとどうなってしまうのでしょうか。次のようなデメリットが発生すると考えられます。
・効率が悪くなり電気代がかさむ
・エアコンの効きが悪くなる
・利用中に悪臭が発生する
・健康に悪影響を及ぼす
エアコンフィルターや内部のフィンが汚れると、風のとおりが悪くなります。すると、エアコンは空気を吸い込むためにより多くの電力を必要とするため、購入当初と比べると電気代がかさんでしまいます。経済産業省によると、エアコンを月に1回か2回清掃するだけで、年間約990円が節約できるとしています。
電気の使用量が減れば、発電に必要な二酸化炭素の削減にもつながるので環境負荷を減らせるでしょう。汚れがたまって風のとおりが悪くなったエアコンは、室温調整能力が低下します。
エアコンの効きが悪くなったとき、多くの人がエアコンの故障を疑いますが、エアコン内部の汚れが原因であることも珍しくありません。エアコンの汚れは他にも悪影響を及ぼします。その代表が悪臭です。悪臭の原因の一つが、エアコン内部の汚れです。
エアコンフィルターにたまったほこりはカビの格好のエサとなってしまいます。エアコン内部の湿度がたまりやすい冷房時には、カビが繁殖しやすい環境となり、さらに悪臭が増してしまうかもしれません。悪臭がするエアコンを放置していると、さらに悪いことが起こります。
それは、健康被害です。健康被害の原因はエアコン内で繁殖したカビです。カビはエアコンの風によって部屋中に運ばれます。すると、部屋の住人がカビを吸い込んでしまい、さまざまな症状を引き起こします。
典型的な病気としてはぜんそくやアレルギー性鼻炎、夏型過敏性肺炎などがあげられます。夏型過敏性肺炎とは、カビを吸い込むことで引き起こされる病気です。カビを吸い込んでから数時間以内に、せき・たん・頭痛・悪寒・発熱・呼吸困難などの症状が現れます。
カビが発生しやすいのは温度25〜28℃、湿度70%前後の高温多湿の環境です。こうした天気が続く時期は、こまめにエアコンフィルターを掃除してカビの繁殖を防ぎましょう。
自分でできる!エアコンの清掃方法
エアコンの汚れを放置すると、さまざまな不都合が生じることがわかりました。自分でできるエアコン掃除はどのようなものなのでしょうか。自分でできる掃除箇所は以下のとおりです。
・フィルター
・吹き出し口
・ルーバー
・室外機のドレンホース
フィルターを掃除する際は、きれいなタオルや中性洗剤、古い歯ブラシ、掃除機などを用意します。掃除する前にエアコンの電源を切ってコンセントを抜いておきましょう。大抵の機種は、エアコン前面のパネルを開けるとフィルターを取り出せます。
フィルターを外す前に掃除機をかけると、ほこりが舞い散ることを防げます。掃除機である程度ほこりを吸ったらフィルターを取り出します。取り出したフィルターの表面を掃除機掛けし、裏側から水洗いするとほこりを落とせます。
それでも落ちないほこりは、薄めた中性洗剤や古い歯ブラシを使って取り除きましょう。乾いたタオルで水分をとることも重要です。濡れたままフィルターを戻すとカビの発生源になるのでやめましょう。吹き出し口やルーバーは高いところにあるため、お掃除棒を使って掃除するのが効果的です。
室内機と室外機をつなぐドレンホースも汚れやすい部分です。外にあるドレンホースの出口付近の汚れを古い歯ブラシなどでかき出して水が通りやすい状態にしましょう。
エアコンをクリニーングした方がいい場合
悪臭が酷かったり、カビ臭いときは内部がかなり汚れている可能性があるので、プロにクリーニングを依頼したほうがよいでしょう。また、黒い点のようなものが見えたり、黒い粉がある場合も業者にクリーニングを依頼したほうが良いサインです。
黒い物質はカビである可能性が高いからです。専門業者であれば、高圧洗浄機による掃除をしてくれますので、悪臭のもととなるカビを徹底的に排除してくれます。エアコンを分解して丸ごと掃除してくれるので、清掃後は安心して使用できます。
エアコンクリーニングの相場は1万円前後です。エアコンの種類によっても異なりますので、詳しくは専門業者に問い合わせてください。
まとめ
今回は、エアコンのハウスクリーニングについて解説しました。私たちの生活に必要不可欠といってもよいほど、エアコンは生活必需品となりました。毎日使うものだからこそ、こまめに自分でメンテナンスして使いたいものです。悪臭が気になったり、黒い粉が落ちるなどの異変を感じたらすぐに専門業者に問い合わせ、クリーニングの段取りを組んだ方がよいでしょう。