定年後の働き方の選択肢として、独立開業を検討する人は少なくありません。定年後の開業は難しいと思われがちですが、若くしての独立にはないメリットもあります。今回は、定年後の独立開業について、メリット・デメリットやおすすめの業種、成功のポイントなどを解説しましょう。定年後の働き方に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
独立開業のメリットとは?
最近では、定年後も再雇用などで働く人が増加しています。定年後にも何らかの形で働き続けたいと考えている人は、独立開業するのもひとつの方法です。ここでは、定年後に独立開業することのメリットについて詳しく解説します。
収入の増加が期待できる
定年後に再雇用で働く場合、現役の頃と比較すると給与は大幅に減少してしまいます。
独立開業すれば働き方によっては収入の増加が見込めるため、余裕をもって老後の生活を楽しむことが可能です。また、好きな仕事をして収入を得られれば、定年後も充実した日々を過ごせます。
これまでの経験・スキルを活かせる
社会人となってから定年までの数十年間で積み上げてきた経験やスキルは、若者にはない大きな武器となります。たとえ独立開業で挑戦する業界がこれまで働いてきた業界とは無関係であったとしても、これまでの社会人経験はさまざまなシーンで活かすことが可能です。
勤務時間をコントロールしやすい
定年後に独立開業するのであれば、自由になる時間が多いことから勤務時間をコントロールしやすいです。定年して職場に通うことがなくなるという意味でももちろんですが、子育てなどに追われて時間が取れないといった心配もありません。
勤務時間や働き方をライフスタイルに合わせて柔軟に決められるため、プライベートとのバランスも考えながら自分らしく働けます。
充分な貯蓄がある
退職後は、これまでの貯蓄に加えて退職金も手元にあります。貯蓄額に余裕があれば開業資金の大半を自己資金でまかなうことも可能であり、また、あえて融資を受けて手元に資金を残しておく選択もできるのです。
充分な貯蓄で選択肢を増やせるのは、退職後の独立開業ならではのメリットであるといえるでしょう。
長く働ける
「元気なうちはお金を稼ぎ続けたい」「やりがいをもって働くことで定年後の生活を充実させたい」など、独立開業の目的はさまざまです。独立開業が成功して軌道に乗れば、自分が続けたいと思う限りはいつまでも働くことができるでしょう。
定年後の独立開業にともなうデメリットと注意点
定年後の独立開業にはさまざまなメリットがある一方で、定年後ならではのデメリットもあります。独立開業を検討する際には、メリットと合わせてデメリットについてもしっかりと把握しておきましょう。
ここでは、定年後の独立開業にともなうデメリットについて詳しく解説します。
経営に失敗すると再挑戦しにくい
独立開業する年齢に関わらず、開業にはリスクがつきものです。業種によっては成功して生き残れる企業はひとにぎりであるケースも少なくないため、開業時には覚悟をもって準備を進めることが重要です。
定年後に独立開業する場合、万が一起業に失敗してしまうと、年齢的にも再挑戦することは難しくなります。仕事内容や業種にこだわりがないのであれば、できる限りリスクが低い仕事を選択するのがよいでしょう。
体力が続かない
独立開業にともなう準備は手間も時間もかかります。また、開業から事業を軌道に乗せるまでにはある程度の時間を要するため、体力勝負になるケースも少なくありません。
定年後は年齢的にも体力が低下しており、心身ともに疲労が溜まりやすいです。やる気があっても身体がついていかず、思うようなペースで働けない可能性もあるでしょう。
おすすめの業種と成功の秘訣
定年後の独立開業は、若者の開業に比べると貯蓄や時間にゆとりがあります。定年後ならではのメリットを活かせる業種を選択することで、起業の成功率をアップさせられるでしょう。ここでは、定年後の独立開業におすすめの業種と成功の秘訣をあわせて紹介します。
ハウスクリーニング
個人宅や企業のクリーニングを実施する仕事です。ハウスクリーニングは事務所を構えずに開業できる上、在庫を抱えるリスクもないため挑戦しやすい職種といえます。
クリーニングに関するスキルがなく不安を感じるのであれば、まずはフランチャイズ開業で知識やノウハウを得るところからスタートするのもひとつの手です。
コインランドリー
貯蓄が充分にある人には、コインランドリーも向いています。土地・建物や洗濯機器が必要となるため開業資金は嵩みますが、開業後は経営に手間や時間がかかりません。
ある程度初期費用を抑えたい場合には、フランチャイズ契約で開業するのがおすすめです。
まとめ
今回は、定年後に独立開業することのメリット・デメリットに加え、定年後の開業におすすめの業種や成功させるためのポイントなども詳しく解説しました。定年後の独立開業には、時間・資金に余裕があることや、これまでの社会人経験を活かせることなどのメリットがあります。反対に、年齢を考えると起業に失敗した場合に再挑戦しにくいことや激務に耐えうる体力が続かずペースを維持できないなどのデメリットもあるのです。開業する業種で悩んでいる人は、ハウスクリーニングやコインランドリーが挑戦しやすいでしょう。スキルや開業資金に不安がある場合には、フランチャイズを利用するのもおすすめです。