個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を行っていく人を指すものであり、近年だとフリーランス人口の増加に伴い、個人事業主も増加傾向にあります。そんな個人事業主と法人の違いについて皆さんはご存知でしょうか。今回は、違いをまだ理解していない方のために、個人と法人の違いやメリット、注意点などについて、解説していきます。
個人事業主と法人の違いとメリット
最初に、こちらでは個人事業主と法人の違いやメリットについて解説していきます。下記で違いとメリットをいくつかまとめたので、ぜひ今後の参考にしてみてください。
開業費用
開業費用は、個人事業主として開業する場合には開業届にともなう費用は発生しないので、税務署へ開業届を提出するだけで開業手続きは終了となるのに対して、法人として開業するとなると、最低で22万円の費用が発生するのが特徴となっています。
税金の種類
個人事業主と法人では、支払う税金の種類も異なるのが特徴となっています。個人事業主が支払う税金は、所得税、住民税、個人事業税、消費税の4種類であり、対して、法人が支払う税金は法人税、法人住民税、法人事業税、地方法人事業税、消費税の5種類となるため、支払う税金の数も違っているのです。
経費計上の範囲
個人事業主と法人では、経費として計上する支出の範囲が異なるというのも違いとなっています。とくに人件費に関して、大きな違いがあり、個人事業主の場合は、事業主自身の給料は経費にできません。それに対して、法人は、事業主の給与や生命保険の保険料なども経費として計上できるという特徴があります。
社会的信用
個人事業主と法人では、社会的信用にも差が発生します。基本的に個人事業主よりも法人の方が社会的信用が高くなっているのが特徴です。
自由度
自由度に関しても個人事業主と法人では違いがあります。個人事業主は個人の判断でさまざまなことを自由に設定しやすいのに対し、法人は、定款に記載されている内容をきちんと守って事業を行わなければならないので、個人事業主と比べると、縛りが多いように感じるでしょう。
フランチャイズ事業での個人事業主の利点と注意点
次にフランチャイズ事業での個人事業主のメリットや注意点について、解説していきます。以下で詳しくまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
開業手続きが簡単
上記でも軽く触れたとおり、個人事業主の場合は開業の際の費用が一切かからないので、それに伴い、手続きも簡単であるのがメリットといえます。税務署に開業届を提出すれば、開業できるので時間もあまりかかりません。
経理の負担が少ない
個人事業で1人で仕事をしている場合は、給与支払いなどが発生しないので、事務作業の負担が少ないというのもメリットの1つとなります。それ以外にも、事業主は国民年金や国民健康保険に加入することが多いのですが、こちらも手続きや事務の負担は少なくなっています。
利益が少なければ税金も少なくて済む
仕事の利益が少ないと、個人事業のほうが法人よりも税金が少なくなる傾向にあるというのもメリットです。なので、最初は個人事業主として運営し、利益が出てきたら法人化するという流れにすると節税効果が期待できておすすめです。
信用度が法人よりも低い
こちらは、注意点となります。個人事業主は、法人よりも社会的信用が劣ってしまいます。なぜなら法人よりも簡単に設立や運営ができてしまうからです。また、信用度が低いため、融資を受けにくいなどというデメリットがあるため、注意が必要です。
フランチャイズ事業での法人の利点と注意点
最後にフランチャイズ事業での法人のメリットと注意点について、解説していきたいと思います。下記で説明しているメリットや注意点をよく理解して、経営を進めていきましょう。
社会信用が高い
法人化する1番のメリットといわれているのが、社会的信用が高まるという点です。こちらは、組織的に運営しているということにより、今後も継続して取引ができると営業先などから見られるので、個人事業主よりも安心感を相手に与えられるというのが大きな理由となっています。
経費計上の枠が広がる
経費計上の枠が広がるというのも1つのメリットとなってきます。例えば、個人事業主ではできない、自身の給与の経費計上も法人化すれば計上が可能になります。また、給与以外にも退職金の準備金も経費計上できるというのもポイントです。
会社設立の際に費用が発生する
法人化していくためには、開業費が発生するという注意点があります。最低でも22万円の費用が発生するため、事前に準備金としてお金を用意しておかなければなりません。
事務負担の増加
法人化すると従業員への給与支払いなどの事務負担が増えるというのも注意しなければならないポイントです。また、自分のペースで事務処理できる個人事業とは違い、期限までに処理しないといけない場合もあるので、その点でも負担を大きく感じてしまうかもしれません。
まとめ
今回は、フランチャイズで開業するなら個人事業主と法人、どちらがよいのかについて、詳しく解説していきました。個人的なおすすめとしては、上記でも説明したとおり、最初は個人事業主からスタートさせて、仕事が順調に進んで利益が出てきたら、法人化していくというのがよいでしょう。これから独立を考えている人は、今回の記事を参考にしてもらえたら、幸いです。