フランチャイズの始まりはアメリカだといわれています。ケンタッキーやマクドナルドが人気になるにつれ、フランチャイズ制度も認知されていきました。日本では、コカ・コーラやダスキンが先駆けとなり国民に広まっていきました。そこで本記事では、フランチャイズの歴史や仕組みについて解説していきます。開業するうえでの参考にしてください。
フランチャイズとは何か?
フランチャイズの仕組みや、本部に支払うロイヤリティについて解説していきます。
フランチャイズとは?
フランチャイズとは、本部からマニュアルや経営ノウハウなどの提供を受けたうえで、お店のオーナーとして運営を任せられるビジネスモデルのことです。商品の仕入れや開発、宣伝などはすべて本部が行ってくれるため、加盟する側は未経験者でも問題ありません。
安定した経営ができるよう、構造的に仕組化されているのがフランチャイズの特徴です。加盟する側は、ノウハウを提供してもらっている対価としてロイヤリティを支払う義務があります。
フランチャイズのロイヤリティ
フランチャイズのロイヤリティは主に3種類あります。粗利益配分方式は、売り上げから仕入れ額を引いた粗利益に、一定の割合をかけた金額を支払う方式です。コンビニや小売店などで用いられています。売上高比例方式は、売り上げに一定の割合をかけた金額を支払う方式です。
売り上げが大きくなるほどロイヤリティも高くなります。主に外食チェーンで用いられています。定額方式は、売り上げにかかわらず毎月一定額を支払います。主に不動産業やクリーニング業で用いられることが多いです。
フランチャイズの代表的な業種
フランチャイズの主な業種としては、ラーメン店やレストラン、リサイクルショップなどがあげられます。数ある業種の中でも参入する人が多いのがコンビニです。コンビニフランチャイズの魅力はブランド力と知名度でしょう。
テレビCMでの宣伝も頻繫に行われているので安定した集客が見込めます。また日用品や食品など、生活必需品をメインに扱っているので、時代の流れに左右され利益が下がるリスクも少ないです。長期的に安定した集客を見込めるので、コンビニフランチャイズは人気があります。
フランチャイズの歴史的な起源
フランチャイズの歴史についてご紹介していきます。
フランチャイズの始まりはアメリカ
フランチャイズの歴史はアメリカから始まったといわれています。1850年代、ミシンを製造していたシンガー社が、小売店を全米に配置したことで普及していきました。ミシンの販売権を加盟者に付与し、その対価として金銭を徴収する仕組みです。1900年ごろには、自動車が普及したことで部品供給や石油スタンドのフランチャイズが確立されました。
フランチャイズシステムの成長
第2次世界大戦後、フランチャイズの需要がさらに増していき、加盟者に対するノウハウの指導やマニュアル化が進んでいきます。1950年代には、ケンタッキーやマクドナルドのフランチャイズ化が加速し、全米に数百店舗を構えるほどに成長しました。このシステムはアメリカ社会に受け入れられ「フランチャイズブーム」と呼ばれるようになりました。
フランチャイズビジネスの発展と変遷
日本での普及について、またフランチャイズのメリット・デメリットについて解説していきます。
フランチャイズの日本での普及
フランチャイズが日本に導入されたのは1960年代といわれています。先駆けとなったのは、コカ・コーラやダスキンといった現代でも馴染みの深い会社です。アメリカと同じく、経営ノウハウや販売形態などを提供する対価としてロイヤリティを受け取るシステムです。
1970年代には、ファミリーマートやローソンなどがフランチャイズを導入したことで本格的に普及していきました。現在では、フランチャイズといえば「コンビニ」といわれるまでに成長しています。
メリット:未経験でも開業できる
フランチャイズのメリットは未経験からでも始めやすいことです。仕入れ・宣伝・接客など、あらゆる経営ノウハウを提供してもらえるので一から学ぶ必要がありません。ノウハウがマニュアル化されており、経験がない人でも安定した経営ができる仕組みになっています。
自分で準備するものが少ないのでスピーディーに開業できるでしょう。また自力で開業した場合の成功率は25~30%ほどですが、フランチャイズだと約70%というデータもあります。リスクや失敗の可能性が少ないので未経験者でも開業しやすいです。
メリット:サポートを受けられる
本部から手厚いサポートを受けられる点もメリットです。開業するときは準備に時間とコストがかかります。何をいつまでに、どのように調達するのかを決め、適正な量を揃える必要があります。ですが、フランチャイズではこうしたノウハウはすべて用意されているため手間が省けます。
発注しすぎて商品があまってしまうなどの無駄も出にくいのでコストの削減にもなるでしょう。また本部の方で集客してくれるのも魅力です。テレビCMや広告で宣伝活動をしてくれるので、何もしなくてもお客さんが集まりやすい環境をつくれます。こうしたサポートを受けられるのがフランチャイズの良さです。
デメリット:自由に経営できない
フランチャイズのデメリットは自由に経営できないことです。ノウハウを提供してもらえるのがメリットですが、その反面、本部が決めたルールを遵守しなければいけません。独自のスタイルや方針は、ブランドイメージを損なう可能性があるので却下されることがあるでしょう。
「この商品を売りたい」と思っても意見が通らないのがフランチャイズです。自由度が少ないことを予め理解しておきましょう。
まとめ
本記事では、フランチャイズの歴史や仕組みなどを解説してきました。フランチャイズとは、本部から経営ノウハウの提供を受けたうえで店舗運営を任せてもらえる雇用形態です。この仕組みが始まったのは1850年代のアメリカだといわれています。
ケンタッキーやマクドナルドの人気とともに、フランチャイズが認知されていきました。日本で導入されたのは1960年代で、コカ・コーラやダスキンが先駆けといわれています。現代ではコンビニや飲食店、リサイクルショップなどがフランチャイズを取り入れています。フランチャイズについて、十分理解を深めたうえで開業を検討するといいでしょう。