一戸建てやマンションの設備のなかで、建物の外に出ている部分がベランダです。布団の干し場として利用している家庭が多いかもしれません。しかし、外に張り出している分だけ汚れやすいというデメリットがあります。今回は意外と手間がかかるベランダのハウスクリーニングや、ハウスクリーニングの独立開業について解説します。
意外と力がいるベランダのハウスクリーニング
自宅にベランダがある方はご存じかと思いますが、ベランダは雨風にさらされているためかなり汚れます。土やカビ、コケなどによって汚れてしまうため、きれいにするのは一苦労です。
ベランダの主な汚れは土ぼこり、砂ぼこり、洗濯くず、髪の毛、枯れ葉、鳥のフン、虫の死骸、クモの巣、コケなどになります。これらの汚れは時間がたつほど落としにくくなるため、早めに掃除しなければなりません。
掃除をする前に、ベランダに置いてあるものを移動させます。思いのほか重量があるものを置いていていたり、かさばるものを置いていたりすると、移動するだけでも一苦労です。最初に掃除するのは手すりです。水で濡らした雑巾をよくしぼり、しぼった雑巾で手すりを吹きます。
次は床です。ほこりや髪の毛、洗濯くずなど、掃除機で吸えるものは吸い取ってしまいます。このとき、鳥のフンまで吸い取らないように気を付けましょう。鳥のフンにはさまざまな雑菌が含まれているため、吸い込むと部屋の中を掃除した時に雑菌をまき散らしてしまうからです。
鳥のフンは水分を含ませたキッチンペーパーなどを使って処理しましょう。掃除機での清掃が終わったら、本格的な拭き掃除のスタートです。重曹などを使って汚れを落としましょう。長期間こびりついた汚れをふき取るのはかなりの重労働です。
それでも取れない部分は、高圧洗浄機などを使うと落とすことができます。ウッドデッキのような木製素材を使っているベランダは重曹を使うと変色してしまう恐れがありますので、中性洗剤を使った方がよいでしょう。それでも汚れが落ちないようであれば、専門業者によるハウスクリーニングを検討してもよいでしょう。
ハウスクリーニングで独立開業する人が増えている
最近、ハウスクリーニング業で独立・開業する人が増えています。開業者が多い理由として、ハウスクリーニングの需要の高まりがあります。ハウスクリーニング需要が高まっている理由は、高齢化社会になっているから、共働き家庭が増えているから、ライフスタイルが変化しているから、アレルギー対策が重視されているからなどになります。
日本の人口は2008年の1億2,808万人をピークとして減少しています。少子化により15歳未満の人口割合が減少する少子化と、65歳以上の高齢者の割合が増加する高齢化が同時進行しているからです。2022年の統計をみると、65歳以上の人口は3,623万人余で全人口の29%に達しています。
高齢になると、若いころに比べて体が思うように動かなくなります。すると、掃除まで手が回らない人も増えてきます。なぜなら、掃除は結構な重労働だからです。核家族化が進み、家族と同居する高齢者が減っていることもハウスクリーニングの需要増加につながっています。
家族に手伝ってもらう代わりに、サービスを利用するからです。共働きが増え、家事に手が回らなくなっていることもサービス需要増加につながっています。単身者が増えるなど、ライフスタイルの変化も需要増加の一因です。
これらの社会的要因に加え、アレルギーへの関心の高まりもハウスクリーニング需要を後押ししています。花粉やダニ、ほこりといったアレルゲンを除去するため、専門家による掃除を求める人が増えているからです。
ハウスクリーニングはほかの仕事より優位性が高い
ハウスクリーニングの起業が増えている理由は、他の業種より有利な点があるからです。それは、仕入がいらないことです。飲食店と比較するとわかりやすいです。飲食店は商品としての料理を提供するため、原材料を仕入れます。
全ての材料を使い切れれば良いのですが、その日の客入り次第で仕入が売れ残ることがあります。残った材料はいつまでも取って置けないので廃棄処分となります。廃棄した分の費用は、そのまま、事業者の損金となってしまいます。
それに比べ、ハウスクリーニングの仕入はほとんどありません。清掃の技術と営業力があれば、事業を継続できます。そのため、開業資金が少なくても事業をスタートすることができます。また、フランチャイズ加盟店同士で連携することも可能です。
こうして考えると、ハウスクリーニングは比較的始めやすいビジネスだといえます。
まとめ
今回はベランダのハウスクリーニングやハウスクリーニングの独立・開業について解説しました。ベランダ掃除は意外と力が必要です。高齢者が増えている今の社会状況を考えると、自力でベランダ清掃まで行うのは難しいのかもしれません。
ベランダに限らず、清掃をハウスクリーニング業者に依頼する傾向は強まっています。需要が増加傾向にあるハウスクリーニングは、独立・起業の有力候補といえるのではないでしょうか。