フランチャイズは、手軽な起業の選択肢として人気を集めていますが、中には危険なフランチャイズ本部も存在します。悪徳な本部は、加盟者の利益よりも自己の利益を優先し、フランチャイズのリスクを隠す傾向があります。では、どのようにして危険なフランチャイズ本部を見極めるべきでしょうか。注意すべきポイントを詳しく解説します。
危険なフランチャイズ本部の特徴
本部からノウハウや商標などを提供され、少ないリスクで始められるフランチャイズは、起業を考える人たちにとって魅力的な選択肢です。しかし、悪徳なフランチャイズ本部に騙されないように注意しなければなりません。ここでは、危険なフランチャイズ本部の特徴について確認してきます。
収益性や低コストを強調する
悪徳フランチャイズは、収益性や低コストを強調して集客します。起業を考える人たちは、資金が限られているからです。そのため、コストがかからず、すぐに儲かりそうな事業のフランチャイズに参加してしまいがちなのです。
中には、加盟金を無料にして集客する悪徳フランチャイズもいます。この業者は、加盟者にとって魅力的に思えますが、別の名目で高額なコストを要求される可能性があるため、注意しなければなりません。
たとえば、実現が困難な収益モデルを掲げ契約させたのちに、加盟者に多額の費用を要求します。彼らの目的は、売上から発生するロイヤリティではなく、加盟者から直接利益を得ることです。
契約料、研修費、宣伝費などの費用が要求される場合、加盟者はそれらを支払う必要があります。契約前に初期費用が明示されていなくても、後からその費用を請求していき、加盟者から巻き上げていく手口です。
サポートがない
多くの悪徳フランチャイズは、経営面でのサポートをほとんど行いません。これにより、未経験で店舗を経営する加盟者は、経営の困難に直面する可能性が高まります。経営が立ちいかなくなり、契約期間途中で店舗を閉めると、契約解除の高額な違約金が請求されてしまいます。悪徳フランチャイズは加盟者を搾取し、結果的に借金で生活が困難になるリスクがあることに注意が必要です。
見極めるポイントとは
リスクの大きい悪徳フランチャイズを避けるためには、注意深く選定することが必要です。ここでは、悪徳フランチャイズの見極め方について説明しています。
デメリットの説明がない
フランチャイズ本部が、リスクやデメリットについて説明しない場合、怪しい兆候と言えるでしょう。契約直後など、最初は赤字になる可能性があることなど、リスクを正直に伝えるフランチャイズ本部を選ぶべきです。
悪徳フランチャイズかどうか見極めるためには、質問してみましょう。赤字の場合のロイヤリティ計算や、初期費用に対する質問に明確な回答がない場合、悪徳業者の可能性が高いです。信頼できるフランチャイズは、デメリットについてもていねいに説明してくれます。
資料が曖昧
本部から提供される法定開示書面や、経営計画書などの資料が具体的でない場合、注意が必要です。とくに、初期費用の内訳が不明確であれば、開業時の費用が把握しにくくなり、記載にない費用を請求されるリスクも高まります。そもそも、法律で義務付けられている法定開示書面が配布されない場合は、悪徳である可能性がきわめて高いです。
加盟を急かされる
担当者が加盟を急かす場合も、注意が必要です。自社の利益だけを追及する悪徳会社は、ノルマ達成のために、強引に加盟を勧める場合があります。説明会で、強引な勧誘があった時点で加盟をやめましょう。
評価が悪い
悪徳フランチャイズでは、悪い口コミが多い傾向があります。すでに加盟しているオーナーの口コミを確認し、信頼性を確かめることが重要です。
会社情報がない
信頼できるフランチャイズ本部であるかを判断する際、公開されている会社情報を確認することが大事です。公開されている情報の量と、信頼性は比例するため、情報の少ないフランチャイズは注意が必要です。
フランチャイズ契約書の注意点
フランチャイズオーナーになる際、契約書の内容は非常に重要です。以下に注意すべきポイントを紹介します。
費用の確認
まず、支払う費用をしっかりと確認しましょう。加盟金、保証金、ロイヤリティなどが一般的な支払項目です。事前に説明された内容から費用が追加されていないか確認するため、契約書の内容と、説明会で提示された事業計画書などを突き合わせ、納得してから契約しましょう。
契約期間・更新料
契約期間はさまざまですが、解約時には解約金が発生する場合があります。契約期間や解約に関する条件をよく確認しましょう。また、更新手続きとその際の料金についても注意が必要です。
違約金・解約金は適切か
違約金は、ブランド維持のために設けられていることがほとんどです。また、中途解約の際には、解約金が発生する場合があります。しかし、金額があまりにも多額すぎる場合などは、弁護士などに相談して適切かどうか確認しましょう。
競業避止義務の確認
契約終了後の一定期間において、類似する事業を禁じる競業避止義務は、本部のノウハウ保護のために重要です。将来的に独立を考える場合は、競業避止義務の内容や期間を確認しましょう。また、不当に長い期間になっていないかなど、適正な範囲であるかどうかも注意が必要です。
まとめ
危険なフランチャイズ本部を見極めるためには、慎重な検討が不可欠です。まず、契約書の費用や条件をよく確認しましょう。とくに、加盟金や保証金、ロイヤリティなどの支払い内容に注意が必要です。
また、契約期間や更新料、違約金、解約金についてもしっかりと把握しておきましょう。将来の独立を考える場合には、競業避止義務の内容や期間も確認しておかなければなりません。
もっとも重要なのは、本部の信頼性を確認することです。信頼できる本部であれば、ノウハウを提供し、加盟者の成功をサポートしてくれるでしょう。フランチャイズを決定するときは、これらのポイントを押さえながら、慎重に契約することをおすすめします。