フランチャイズ加盟店として店舗を開業、運営する場合、一から独立する場合に比べて本部のネームバリューや商品、サービスを利用できるためスムーズに店舗経営ができる、運営ノウハウを学べるといったメリットがあります。しかし、もし契約をした本部が倒産してしまったら、結んだ契約はどうなるのでしょうか。
フランチャイズの本部が倒産したら、FC契約は継続する?
フランチャイズの本部は大手チェーン店が多いですが、絶対に倒産しないということはありません。
そのため、倒産した場合どうなるかを契約書で確認しておく必要があるでしょう。
加盟する際に本部の経営状況や契約内容を確認しておこう
フランチャイズの加盟店を募集している本部は世の中にたくさんあります。
大手で名前を知っているから、加盟金が安かったからなどと安易な理由で契約をしてしまうと後で後悔することになるかもしれないため、加盟先はしっかりリサーチしてから決めましょう。本部の情報はインターネット、新聞、雑誌などから情報収集ができます。
そのなかから気になる本部を絞りこんで資料請求を行い、その後説明会へ参加して詳細を確認しましょう。またフランチャイズの契約内容だけでなく、本部の経営状況も同時に確認しておきましょう。
契約に進む場合は本部の担当者と面談に進み契約するかどうか最終確認することになります。この時点で経営理念、業務内容、倒産したら加盟店はどうなるのかなど疑問に思うことは質問しておきましょう。
すぐに契約に進む必要はないので、契約書をもらってから持ち帰って熟考する期間をつくることをおすすめします。契約書の内容で疑問点があれば本部の担当者に確認するだけでなく、弁護士などの専門家に内容を確認してもらってもよいでしょう。
■もし倒産してしまったら?
フランチャイズ加盟のために下調べをしっかりしたとしても、不祥事などで急激に業績が悪化して本部が倒産してしまう可能性もあります。
しかし本部と加盟店は雇用関係ではなく独立した事業主となっています。そのため本部が倒産してしまっても同時に倒産ということにはなりません。
本部が会社を整理して再建を目指す場合はほかの会社に営業の権利を受け渡せば本部は他社に変わりますが、加盟店はフランチャイズ契約を継続できます。しかし契約内容が変わる可能性はあるので注意しておきましょう。
再建を目指さず本部が解散という形になっても、加盟店はすぐに営業を停止しなければいけないわけではありません。
倒産時の契約解消と保護するには?
再建を目指す場合はフランチャイズ契約を継続したまま営業を続けることができますが、将来的にそのまま契約を継続するのは不安という場合もあるでしょう。契約を解消する場合はどのような流れになるのでしょうか。
契約を継続するか解消するか決める
本部が破産した場合、破産管財人が本部と加盟店の仲介に入ることになるでしょう。
事業が他社に引き継がれる場合はそのまま事業を継続できるので、問題ないと感じたら契約継続のままでも構わないでしょう。契約を解消したい場合は契約を解消することになります。
加盟店同士でつながりを持っておこう
本部の経営が思わしくないと感じても加盟店側から途中で解約する場合、違約金が発生することになるので即解約ということは難しいでしょう。
そのため本部の経営が危ないと感じたら加盟店同士で連絡を取り合い団結することが加盟店を守ることにつながるでしょう。流通や仕入れを共同で行い新しくチェーン店をつくり直すといった選択肢も考えられます。
本部でトラブルがあっても加盟店同士団結し情報収集を行い、今後の対応を考えることが加盟店を保護することにつながるでしょう。
フランチャイズオーナーの権利と法的対処方法
フランチャイズは加盟店となることで本部の経営ノウハウやネームバリュー、サービスや商品を活用できるという大きなメリットがあります。
しかし契約書の内容をしっかり確認しないで契約してしまうと、契約後にトラブルになることもあるので注意しましょう。
オーナーの権利を守るために実情を確認しておこう
本部がサポートをしてくれないといった理由で契約を解約しようと思っても、加盟店側から途中解約を希望すると莫大な違約金が設定されている可能性があります。
そのため加盟する前に、実際に加盟店になっている先輩オーナーにフランチャイズの実情を聞いてみるのがよいでしょう。加盟店となった場合、本部からしっかりサポートはあるのか、売り上げは上がっているかなどリアルな実体験を聞いてみるのがおすすめです。
困ったら専門家に相談しよう
契約書をしっかり読んだと思っても、自分では理解できないところも出てくるでしょう。
不利益を受けないよう、契約前に契約書の内容を弁護士に確認してもらうのがよいでしょう。オーナー側に極端に不利な内容はないか、途中解約や本部が倒産した場合についての記載はあるかなどを弁護士といっしょに確認することをおすすめします。
そのうえで納得できるようであれば契約に進みましょう。また契約後に何らかのトラブルが起きた場合も、速やかに相談できる弁護士がいれば安心です。
まとめ
フランチャイズというと大手コンビニや外食チェーン店をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし直営店が全国に多数ある、フランチャイズ加盟店も多数展開しているからといって本部の経営がうまくいっているかはわかりません。経営難で突然倒産してしまう可能性もあるので、倒産した場合の対処法は加盟前にしっかり確認しておきましょう。専門的なことはよく分からないという場合は、加盟店同士で情報交換する、団結する、弁護士に相談するなどして対処しましょう。